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通信用電線

市内線路用の電線
市内対ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(自己支持系)
(CPEV-SS)
市内線路に使用される電線にもいろいろなものがある。一般に市内線路用には市内ケーブルが用いられる。市内ケーブルには、対形と星形がある。対ケーブルは、導体の銅線をブラスチックで絶縁して、対より、集合してシースを施したケーブルである。星ケーブルは、線心4本を星形(カッド)に配列して、より合わせ仕上外径を小さくしたものである。

プラスチックシースの代表的なものにポリエチレンシース、ビニルシース、ラミネートシースがある。ラミネートシースは、ケーブル心上に片面に特殊な接着性のよい樹脂を接着したアルミテープ(ラミネートテープという)をアルミ面を内側にして縦に包み、その上からポリエチレンを被覆したもので、アルミテープとポリエチレンシースが接着した構造になっている。プラスチックシースは軽くて電食混食のおそれもなく、電力線と並べて架設しても安全である。この他、ケーブルシースとして、架空ケーブルの散弾銃対策、鳥・虫害対策、埋設用ケーブルの防鼠・虫害対策用として波付鋼管がい装ケーブルが使用されるようになっている。

市街地では、管路をこれ以上多く埋設することは困難となっているため、市内ケーブルはプラスチック化とともに多対細心化がはかられてきた。多対細心化とは、ケーブルの心線を細くして、同一径の管路内にできるだけ多くの回線を収容することである。

架設の作業を簡単にするために、プラスチック通信ケーブルにプラスチック被覆のつり下げ用鋼線を添えたケーブルが使われている。プラスチックケーブルは軽いので電柱の間隔を広くでき、既設の電柱に添架することもできる。Self‐supportingケープルの頭文字をとりSSケーブルと称している。自己支持のタイプにより、だるま形(8字形)、平行形(ラッシング形)、巻きつけ形の3種類のものがある。

市内線路用電線の種類

・CCPケーブル
CCPとはColour coded polyethyleneの略称である。導体が着色ポリエチレンで被覆された市内電話線路用電線である。導体の総てが色分けされているので、加入者用の配線にきわめて便利である。

このケーブルには、ポリエチレンの外部シースを施したCCP‐Pケーブル、ポリエチレンで絶縁したケープルの心線と亜鉛めっき鋼より線をポリエチレンで共通被覆したCCP-P‐SSケーブル、ラミネートシースを施したCCP-APケーブル、CCP‐AP‐SSケーブルの種類がある。

この他、ケーブルコアの間隙部に防水混和物を充てんしたCCP‐JFケーブルが地下配線用に使用されている。このケーブルは、外被に外傷を受けても浸水部分が広がらないという特長がある。

また、架空ケーブルの散弾銃、鳥・虫害対策として波付鋼管がい装を施したCCP-CSケープルがある。
・PECケーブル
従来使用されていた紙絶縁のスタルペスケーブルに代る着色発泡ポリエチレン絶縁ラミネートシースケーブルで、絶縁体外径の細径化による多対化、着色発泡ポリエチレン絶縁・10Pサブユニツト構造の採用による建設、保守性の向上および絶縁体のプラスチック化による漏話向上をはかった新しいケーブルである。

PECとは、Colour Coded Foamed Polyethylene Insulated Conductor Cableの略称で、シースにはラミネートシースを用いている。
・SDワイヤ
SDの記号はSelf‐supporting(自己支持形)とDistribution Wire(配線)の頭文字からとられている。ポリエチレン絶縁にビニルの共通被覆をして対を構成し、必要対数をビニル被覆の鋼線の周囲により合わせた6対以下の経済的な少対の電線である。軽くて引張強さが大きく、架設が簡単で、市内の加入者配線用に用いられる。
・通信用屋内線
保安器と端末機器間等の配線に使用され、軟銅線にビニル絶縁を施した平形屋内線(TIVF)およびポリエチレンで絶縁しビニルシースを施した対形屋内線がある。
・通信用屋外線
架空ケーブルの端子函から電話加入者の宅内保安器への引込みに用いる電線で、軟銅線にポリエチレン絶縁、ビニルシースを施した自己支持形電線である。 デジタル信号の伝送にも対応できるような構造になっている。
市外線路用の電線
比較的近い都市間の市街線路には平衡形の市外ケーブルが用いられ、長距離の都市間には主として光ファイバケーブルが用いられる。

市外線路は市内よりも長距離になり、高周波帯まで使用されるので伝送特性が良くなければならない。また長距離にわたり多くの本数のケープルをならべて布設するのは不経済であるから、少数のケーブルをできるだけ能率よく利用することが必要である。そのため、市外ケーブル、光ファイバケーブルなどにより、1回線で多数の通話を同時に送る方法が取られている。これを多重化という。

市外線路用の電線の種類

・市外PEF-LAPケーブル
発泡ポリエチレン(PEF)で絶縁した心線を星形(カッド)により、必要カッド数をより合わせラミネートシースを施した市外ケーブルである。減衰や漏話が紙ケーブルにくらべて少ないので、主として短距離搬送用の市外ケーブルとしてひろく使われている。シース透湿防止性のすぐれたラミネートシースになっている。

また、架空ケーブルの散弾銃、鳥・虫害対策として波付がい装を施した市外PEF‐LAP‐CSケーブルがある。