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機器用電線の技術動向
機器用電線は、産業用・民生用電子機器及び産業用機器、家庭用器具等の内部・外部配線材として使用されており、それらの機器においては小型・軽量化・配線材の合理化が進んでいる。

また、産業用、民生用電子機器の分野においては、用途分野の区分が明確化し、今や情報電子機器として一体化の様相を呈している。

例えば、携帯電話、PHSの普及による通信機器の民生化、またインターネットを代表するパソコンの一般家庭への普及などがそれである。
さらに、機器用電線の使用範囲として、医療機器の分野で広く使用されるようになってきた。

(1)小型・軽量化

機器の小型・軽量化に対して、電線の細径化の技術対応は次のように行われている。

1)導体の細径化
電線を細くするためには、導体サイズダウンが必要不可欠であるが、そこで問題になるのが導体の破断張力の低下である。張力の低下を抑えた高抗張力銅合金が各種開発、製造され要求特性に合わせて広く使用されている。これにより導体もAWG38~42(約0.008~0.003mm2)と細径化が進んでいる。

2)絶縁体・シースの薄肉化
絶縁体・シースの薄肉化に伴う電気的、機械的性能の厳しい要求に対応するための材料開発は、進展目覚ましいものがあり、従来の1/2~2/3の被覆厚さで従来品と同等以上の性能を出すことが可能となった。これらの材料と上記の細径導体を合わせた製造技術の進歩により、細径電線が開発・製造されている。

(2)機器の高性能化

電子機器の高性能化に伴い、その伝送信号の高周波化、ディジタル化及び伝送スピードの高速化に対して種々の開発がされている。その一つとして、ノイズ対策がある。高いシールド特性の要求に応えるため、従来の編組等の1重シールドから金属テープとの複合2重シールド等、様々な工夫を凝らした電線が製品化されている。伝送速度の高速化に対しては、低比誘電率絶縁材料の開発、発泡技術の進歩により要求性能に見合う電線が開発、製造されている。

(3)安全性の向上

機器の小型化に伴い、機器の温度上昇も大きくなり、電線への耐熱性の要求が高まってきている。従来の定格温度60~80℃から125℃さらには150℃へと高温定格の需要が増加している。また難燃性に対する要求も従来よりもさらに強くなり、Fマーク、米国UL規格のVW-1等の適合品が広く製造されている。

(4)省力化と多様化

機器用電線の接続形態は、はんだ付け、圧着・圧接方式など配線加工の省力化と多様化が進んでおり、それぞれのニーズに合わせた各種電線の供給を行っている。「フラットケーブル」等においても小型化が進んでおり、それに合わせて、電線もハーフピッチと呼ばれる従来の1/2のピッチのものが広く製造されている。

(5)環境対策

燃焼時の有毒ガスの発生防止、有害物質の含有規制、オゾン層破壊物質の規制等電線材料にも厳しい対策が必要となり、ノンハロ、脱鉛等の検討が行われている。